薄く開いた窓から冷めた空気が流れ込む。
垂直に垂れ下がるばかりだったカーテンが揺れ、夜一色の室内を月光のひとひらが過ぎった気がした。
眠ることもできぬまま天井を眺めていたナルトは、遂に布団を剥ぎ身を起こす。
ぺたり、ぺたり。
静けさに慣れた耳では、素足が床を踏む音もひどい騒音と感じた。忍にあるまじき無骨さか。しかし足の傷は癒えていない。腹も、肩も、腰も。腕と頭の包帯は取れても、少し動くだけで全身の肉が悲鳴を上げる。
だから動くなと言ったんだ!、ナルトが歩き出しているのを見れば、綱手は火を噴く勢いで怒ったかもしれない。
木ノ葉病院、第3病棟。すっかり消灯した施設の3階部いるのは、絶対安静を言い渡された忍ばかり。今はナルトもその一人である。
サスケが里を抜け、二週間が経とうとしていた。
今回ばかりは九尾の治癒能力も追いつかない。ナルトは心身共に傷つき、疲れてしまっていた。必ずサスケを取り戻す、何度そう自分で言い聞かせても、心がしぼんでしまう一瞬がある。
まるで穴の空いた風船のように。
「……あの時の千鳥の穴、まだ塞がってないのかも」
ふらつきながら窓辺に立つ。カーテンをめくると、すっかり明かりの消えた里が見えた。
時刻は午前三時を回った。
ナルトはガラス戸を開き、窓枠に腰掛け空を見上げる。ちょうど真上に月があるらしい。張り出した屋根が邪魔をしているが、夜空には光の筋があった。
月を探して屋根の向こうを覗こうとすると、自然と宙に頭を浮かせる形になる。
端から見れば墜落しそうな有様だったのだろう。
不意に、傾ぐ頭を支える大きな手──
「何してるの」
声をかけられるまで全然気付かなかったのだ。真横の壁にカカシがいるではないか。
あんまり驚いたので、自分の状態を忘れてしまう。目の前に壁と垂直なカカシ。彼を中心に見る世界は横向きで、縦方向に天地があることが意識から抜けた。うっかり窓枠の手を放してしまい、ナルトは本当に墜落しかける。
三階の窓である。「コラコラ」と慌てたカカシが、今度は肩ごとこちらを支えた。
「それ以上ケガしたら死んじゃうでしょうが」
確かにそうかもしれない。ナルトは誤魔化し笑う一方、今更ながらに視界に入った月に目を奪われた。
明るい半月。
とても見たかった気がするのに心は動かない。
動かないことが逆につらかった。突然泣きそうになって、ナルトはカカシから顔を背けた。
「……カカシ先生、お疲れさまだってばよ」
「……ん」
「任務帰りだろ?」
「……ん」
「それとも今日は見回り当番?」
「……ん」
カカシの返事は全部同じに聞こえる。ナルトは黙り、そして改めて「先生」と呼びかけた。
「起きるから、手伝ってってばよ」
「ん」
腹筋を使う前に抱き上げられ、元のように窓枠に座らされる。彼はナルトの行動を早くから見ていたのだろうか。何となく脇へずれてスペースを空けると、カカシも当然のように隣に腰掛けた。
狭い幅の中でそうするから、ナルトの一部はどうしてもカカシに触ってしまう。嫌がられないかと横顔を窺っても、顔の大部分を覆面してしまっている彼からは、何の情動も伝わってこない。
いつかのサクラとの会話が頭を過ぎった。
「ねぇ、先生ってナルトには良く触るわよね?」
あれは、カカシを待っている間のお喋りだった。
「サスケくんはサスケくんの方が先生避けてるし、私は女の子だからあんまり触っちゃダメだって考えてるんだと思うの。その点ナルトは警戒心ないし、先生にとっても、きっとあんまり気にしないでいい相手なのよね」
「そうかなぁ?」
「そうなの。大体、一流の忍になると人に触らなくなるんだって。先生ってあれでもビンゴブックに載るような忍でしょ? 相手が先生を殺すつもりだったとしたら、相手の手が届く範囲なんて本当に危険な場所なのよ。相手が先生に敵意なくても、触るほど近くにいるってことは、相手のトラブルに巻き込まれる可能性があるってこと。だから一流の忍は、信頼してなかったり、守る気がない人間には、絶対近寄らないの」
手が届く範囲にカカシがいることは、実は特別なことなのだとサクラは言った。
「つまり、先生に触られる回数が多いナルトは、絶対敵に回らないと思われてるか、すっごい危なっかしくて手の届く範囲にいさせたいか、どちらかだってこと!」
きっと危なっかしいほうよ、無邪気に笑ったサクラ。
あの時、実はナルトは傷ついた。カカシが手の届く範囲にいることに、サクラの知らないもう一つの理由があると気付いたためだった。
九尾。
カカシは案外やさしいから、そういった意味であからさまにナルトを特別扱いしたことはない。ただ、いつも安心させてやれないとは感じていた。
だから強くなりたくて──大丈夫だと思われたくて、頑張り続けていたのだけれども。
今この時、これほど非常識な時間に彼がナルトの傍にいるのは、結局何も改善できていないせいなのかもしれない。
「……先生、ごめん」
突然謝ったナルトにカカシは小さく眉を寄せた。
「何の、ごめん?」
「ん……いろいろ」
「いろいろ?」
うーん、だからいろいろ。曖昧にすると、彼は「お前が謝ることなんか……」と言ったっきり、言葉を途切れさせてしまう。
困らせている──ナルトはもどかしくうつむいた。
本当に馬鹿みたいに自分はつたない。せっかく傍にいてくれる相手を、上手く大事にできない。
ナルトは、カカシの向こうにサスケを見る、サクラを見る。イルカ、綱手、自来也を見る。
きっと上手く大事にできなかったからサスケは大蛇丸に取られてしまった。そしてこのままならカカシやサクラも離れて行ってしまうかもしれない。
困らせてばかり、期待を裏切ってばかりの相手に、誰だって長く付き合ってやるはずがないのだ。
「……カカシ先生、明日も任務だろ? 早く帰らないと疲れとれないってばよ?」
笑ったつもりだった。
しかしカカシは黙ってナルトの頭を撫で回す。既に上っ面も保てなかった。呆気なくぼろりと瞼から零れたものを、ナルトは必死で擦り拭った。
「……ね、オレ病院って話しにくいなぁ。まだ寝ないならさ、少し外出ない?」
カカシの声はこんな時でものんびり聞こえる。
いいってばよ。えずきながらうなずくと、珍しく正面から胸を合わせる形で抱え上げられた。
カカシのベストが見る間に涙を吸った。ナルトはまた申し訳なくなって鼻を鳴らす。
「先生、服汚れる……」
「んー?」
「ハナミズつく」
「あ。なんてことを、お前」
カカシは形だけ咎めたものの、ますますナルトを胸に押しつけ、病室の窓から跳躍した。
里を南へ。
いくらか家屋の屋根を越えると林へ分け入る。
月があっても木陰は暗い。最初ナルトはどこに向かっているのか丸きりわからなかったのだが、すぐに葉擦れに混じって水音が聞こえ出す。それで見当がついた。思った通り、カカシが足を止めたのは、何度か班で演習を行ったこともある川辺だった。
岩の多い浅瀬である。水は清く、日中は子供たちの遊び場になる。もう少し水嵩の深い下流へ行くと、染物屋が布を洗っていたりする。里の住人には馴染みの深い川だ。
夜とはいえ、辺りはずいぶん明るかった。うねる流れに月光が乱反射し、飛沫の一粒までを輝かせている。
ナルトは思わず水面に見入っていた。玉砂利の上に下ろされても、自分が裸足でいることすら思い出せなかった。
そうしているうちに、先に座り込んだカカシに後ろ手を引かれ、胡坐をかいた足の上に囲われる。
「寒い? 痛いとこは?」
驚きで声が出ない。
近い、カカシととんでもなく近い。というか、隙間がない。背中は暖かいし、尻の下にはカカシの足がある。更にナルトの腹の上でカカシの腕が組まれていて、柔らかい部位を庇うように抱き込まれている。
そんな体勢で上から覗き込まれると、本当に頭のてっぺんから全部をカカシにくるまれている気分になる。
「……ナルト?」
声は耳に直接落ちてくるようだった。呼吸で肺が膨らむタイミングまでわかるのだ。
どきどきする。ナルトは顔中を真っ赤にしてカカシを見上げる。
「寒くない? 痛い?」
「寒くない。し、痛くない……」
「そ。んー……でも、お前ヒドイ顔」
言葉では貶しつつ、カカシは自分の袖でナルトの泣き濡れた顔を拭いてしまう。ごしごし擦られたので鼻も唇も痛んだが、ナルトは今度も言葉が出ない。ただひどく胸が熱くなった。褒められて頭を撫でられる時の感覚に似ている。
でも──どうして?
危なっかしいからいつも手の届く範囲にいる。サクラはそう言った。ナルトもそうだと思っていた。では今はどうなのか。もう傍という範囲もおこがましい近さで、毛布の代わりみたいにカカシの胸がある。
カカシは嫌ではないのだろうか。
「……ナルト、緊張してる?」
「だ、ってさ……重くない、せんせ」
「軽いよ? お前、ちゃんと食ってる? 飴って太るんじゃないの?」
「ア──アメじゃ太んないってばよ、多分……」
どきどきしすぎて呼吸が苦しい。ナルトは自分の言葉がちゃんと返事になっているかの判断もつかなくなっていた。にも関わらず、カカシは更に困ることを尋ね出す。
「ねぇ、さっきのもう一回訊いてもいい? お前が謝ったいろいろって、何?」
「……だから。任務のこととか」
「任務。いつの?」
「えと……だから」
サスケのこととも九尾のこととも言い出せず口ごもる。
結局黙ってしまったナルトを、カカシは宥めるように揺すり上げた。
「もしサスケのこと言ってるんだったら、お前に謝りたいのはオレの方」
「え?」
「サスケに千鳥教えてお前と戦わせた。オレが谷に着いた時、お前の身体に傷はなかったけど、服には拳が貫通した跡がしっかり残ってた。今のサスケが持つ忍術でああいう跡ができるのは、千鳥くらいだ」
ナルトはその時を思い出してうつむいた。
ナルトを殺そうとしたサスケ。ナルトは千鳥を受け止めるために螺旋丸を撃つしかなかった。
心臓を狙った千鳥。ただ額当てに傷ひとつをつけるのが目的だった螺旋丸──
カカシは言う。
「オレが欲ばったんだ。サスケは死ぬまでお前の仲間でいるって勝手に思い込んだ。千鳥はサスケの命も守るけど、いつかはお前の命も守ると思った」
ナルトは思わず笑ってしまった。
「先生、それちょっと変だってばよ。千鳥教えたのサスケのためにじゃないように聞こえる」
「変だよねぇ」
「うん、変だってば」
カカシも笑ったらしい。息が耳に当たってくすぐったい。
「だからナルトのせいじゃないって言ったの。オレが最初に間違えて、サスケも大切にするもの間違えた。ナルトは謝るどころか一番頑張ったんだって威張ってもいいくらいだ」
「…………」
「あーあ、でもなぁ」
カカシは溜め息をつき、冗談の口ぶりで続けた。
「サスケをお前にあげたかったなぁ……」
「先生……?」
「あいつ、お前に興味持ってたし、死ぬまでお前の隣にいそうな気がしたんだけど」
言葉の意味がわからない。ナルトは背後を見上げる。カカシは笑っているようだった。少なくとも覆面されていない左目は笑みで細くなっている。
「お前に先生なんて呼ばれてさ、大したこと教えられない上に、あんまり傍にもいてやれない。せめて一個だけでも、ずっと残るものを見つけてやれると良いのに……」
「せんせ……?」
カカシはそれきり黙ってしまった。
ナルトにはやはり彼の言葉がわからない。ただし、与えられる体温から伝わってくるものはある。
彼は、ナルトがひどく寂しかったことを知っている。二度と一人になりたくないと願っていることを知っている。
だから、だったのだろうか。
ナルトに触る理由。
できるだけ手の届く範囲にいることで、一人じゃないと教えてくれようとした?
自分の鼓動が早まるのを感じる。
嬉しい。嬉しくて、嬉しさで胸が痛い。
「あ、のさ……?」
ナルトはそろそろと口を開いた。
「サスケは絶対取り戻すってばよ? サクラちゃんとも約束したし、エロ仙人やシカマルたちとも約束したし……この前はダメだったけど、次はサスケあっさりぶん殴って里に引きずって行けるくらい修行するから大丈夫。先生の言う、残るものってのは良くわからないけど……でも多分さ、最初のスズ取りの時や、波の国の時とか、こういうふうに生きるんだぞーみたいなの、形はないけど残ってるんだってばよ。今だって先生一緒にいてくれるしさ、そういうの、オレってば、めちゃくちゃうれしー……」
ところが、聞くや否やカカシは肩を落とす。ナルトは一生懸命嬉しい気持ちを伝えたつもりだったが、なぜか落ち込ませたようだった。
だとするなら、もう何をどう話せば良いのかわからないのだ。
腹にある彼の腕に手を重ねる。重ねただけでは足りずに、擦ってみたり揺らしてみたりした。それでも彼は動かないし、気落ちした気配も消えない。
「本当に何もできてないんだから、そんなふうに言わないでよ……」
カカシは悲しげだった。
「いっそガマブン太みたいに口寄せ契約でもしようか? 口寄せなら強制的に呼び出しもできるし、ナルトの好きな時に一緒にいてやれたりもするよ?」
ますます混乱する。あれほど嬉しかったナルトまで悲しい気分になってくる。
「カカシ先生は先生だってば! オレ、先生は、カカシ先生がいい!」
「必要な時に一緒にいなくても?」
「そんな……だってオヤブンもずっと一緒にいてくれるわけじゃねーもの! 確かに子分にしてくれるって言ったけど、オレまだ酒飲めねーし、だから本当の子分でもなくって……っ!」
「酒? どうして酒?」
何を言えば良いのかわからないので、ナルトはとにかく思い当たることを口にしていた。やっと会話になりそうな問いが聞こえ、半ば泣きそうになりながら、子分になるためには盃を交わすのだと、ガマブン太に要求されたことを話す。
「盃かぁ……」
カカシは苦笑していた。いくらか明るい表情に、ナルトは心底ほっとする。
「オレってば、先生と盃交わさなきゃ一緒にいれないのは嫌だ! それに口寄せの術得意じゃねーから、もし先生を口寄せできても、絶対すぐに出て来てくれねぇ!」
「そっか……。ま、口寄せの術は回数こなして早く慣れなさい。盃は……ガマブン太と交わせないんなら、オレと交わしてみる?」
「せ、んせぇと?」
「うん。口寄せの契約が駄目ならそっちだけでもね。オレとなら酒もいらないし」
「そぉ……なの?」
「多分。ちゃんとした儀式じゃなくても、要は、お互いに約束しましたって言えたら良いんだから」
何だかまたわからない話になりかけている気がする。
だが、戸惑うナルトとは逆に、カカシは落ち込みから気を取り直したようだ。ナルトを立たせ、自分も立ち上がると岸辺まで手を引く。
「……何するんだってば?」
「約束しよ」
カカシは足を濡らして浅瀬に入り、マスクを引き下ろすと、真向かいにしゃがみ込んだ。
視線が合う。
水面が弾く月光を映した、カカシの瞳は綺麗だった。
「両手で水を掬って」
言われるまま水を溜めると、そのすぐ下から同じように、もっと大きな両手が、ナルトの手ごと澄んだ水を掬い上げる。
一人で掬えば瞬く間に零れる水は、二人でそうすると不思議なほどしっかり溜めることができた。
「半分ずつ。二人で飲む」
静かなカカシの声。
まるで本当に厳かな儀式のようだ、ナルトは震えてしまった。意味は計れなくとも、二人で掬ったものがそこに在り、今から半分ずつ分けて互いの身体に入る、そう考えるだけで心がきゅうっと密度を上げる。
本当に良いのだろうか──迷いながら、そうっとそうっと口付けた。
水は冷たくて甘い。喉を通るというよりは、身体に融けていく感じがする。
半分。
ナルトがおずおず頭を上げると、次に反対側からカカシが口を寄せる。
カカシの銀髪が手元でキラキラと輝いていた。今そこにあるのが嘘みたいに美しい色だった。夢かもしれないと、彼が顔を伏せている間瞬きを繰り返したが、やっぱり夢ではないらしい。
カカシは残りを飲み干し、最後にナルトの両手に誓いを立てるように唇を触れさせ、顔を上げた。
「……これでおしまい。オレとナルトの手を盃の代わりにしたから、もしオレが約束破ったら、ナルトはオレの手好きにしたらいいよ」
「せ、先生の手……?」
「はたけカカシは、うずまきナルトが望む時、必ず一番に味方になります」
息が止まる。次いで全身の熱が上がる。
「せ……せんせ、それ、ダメだってば!」
「どうして?」
「だってオレのナカ、九尾……っ」
「お前こそダーメ。もう約束しちゃったし。約束したくないんなら、オレの手切って持って行きなさい」
できるわけがない。できるわけがないことを、カカシはわざと言っている。
どうしよう──してはいけない約束だと思うのに、誓いを溶かした水は、もうぽかぽかと心の底からナルトをあたためるのだ。
何だか泣きたくて仕方がない。男が何度も泣いてはいけないと思うからどうにかこらえるが、カカシは知らぬ顔で穏やかに言い重ねる。
「……切って持ってく?」
やんわり手を繋がれ、その感触があんまりやさしくて、我慢が続かなくなった。
「うーーー……っ」
切ったりしない。切りたくない。これは永遠にカカシの手であれば良い。
祈りは言葉にならず、ナルトはただ彼の手を守るように額を押し当てた。次々と涙は溢れ、甲にはいくつも水溜りができていく。
「……ナルト。オレも一個だけ頼みがあるんだけど」
「な……なんでも……言って、いいってば、よ?」
しゃくり上げながら答えると、カカシは不本意そうに、顔上げてよ、と要求した。
「お前良く泣くし、泣くことで発散するのは悪くないとオレも思う。でもお前が泣いてると、ぼうっと見てるのがつらいでしょ?」
「つ、つらい……?」
「せめて拭かせなさいって言ってるの」
手がすり抜けたと思ったら、身体ごと抱き寄せられていた。
目の前には、一度ナルトの涙を吸ったカカシのベストがある。そう言えば、シャツの袖口でも顔を拭かれたのだった。ナルトは小さく笑い出す。
「……せんせ、今日は、タオルみたい」
「いいよ、タオルでも。ちょっとは役に立つし」
みたいでもタオルじゃないってばよ、ナルトは胸の中だけで言い返す。タオルはあたたかくもないし、ナルトと約束などしてはくれないのだ。
カカシは「人」だった。
大事にしようと思った。つたなくても、精一杯。